授業の課題が、FDAに認められた震えの治療機器になった
MITの製品設計の授業で作った腕時計型の振動機器が、9年かけて本態性振戦の治療機器としてFDAの510(k)を取得した。
#なぜ今日これを選んだか
厚紙の箱にRaspberry Piを入れただけの試作品が、9年後に医療機器として認められました。私は理学療法士の資格を持ちながら、iPhoneで関節の可動域を測るアプリを作っています。医療とハードウェアの両方に関わる者として、その9年間に何があったのかを知りたくて選びました。
#要点
- 2017年、MITの授業「2.009」の最終発表でパーキンソン病の方が試作品を着けると、手の震えがその場で大きく減った。チームの投票は16対1だったが、提案者の案が採用された
- 手首に機械的な振動を与えて、関節の位置を感じ取る受容器を刺激する。手術で脳を刺激するのと同じ領域に、体に傷をつけずに働きかけるという考え方
- 2020年に会社を作り、試験を重ねた(2022年に20人、2024年に47人の比較試験、2025年に59人の在宅試験)。在宅で90日使った人の78%が効果を報告し、2026年2月にFDAの510(k)を取得した
#自分にとっての示唆
印象に残ったのは、技術そのものより順番です。最初は「目の前の1人の震えが止まる」ことだけを見せ、次に20人、47人、59人と、検証する人数を段階的に増やしていました。対象もパーキンソン病から、困っている人がより多い本態性振戦へと絞り直しています。
私の可動域アプリも、作り込む前に「1人の肘を測って、ゴニオメーターの値と何度ずれるか」を先に出すべきだと思いました。明日は、自分の肘をアプリとゴニオメーターで5回ずつ測り、差の平均を記録します。数字が出れば、次に何を直すかが決まります。